top of page
10-35-2921-02-21IMG_9400.jpg

News & Blog

  • 執筆者の写真Masayuki Mahara

TEA FOLKS22 斉藤茶園 斉藤祐子さんのご紹介

更新日:2023年2月19日

TEA FOLKS(ティーフォルクス)は2カ月に一度、2茶園のプレミアム和紅茶を茶園のストーリーとともにお届けする定期便サービスです。

定期便価格で最新版をご希望の方はこちらからお申込みください。

各便のバックナンバー及び個別の茶葉単体販売も行っています。(在庫次第となります)


1. 斉藤茶園「ゆめわかば」の特徴



今回ご紹介する「ゆめわかば」は園主の斉藤勝弥さんが友人から譲り受けたのをきっかけに栽培を始め、今では毎年お茶として製品化している品種です。

「ゆめわかば」は埼玉県茶業研究所で「やぶきた」を母親、やぶきたの実生選抜品種である「埼玉9号」を父親として交配し、その実生群中から選抜されました。


埼玉県のブランド品種となることを期待された「ゆめわかば」は2006年に茶農林53号に登録されています。


「やぶきた」系の血筋を色濃く受け継いでいますが、「やぶきた」とも異なる花のような香りが特徴的です。


作り手の斉藤祐子さんも「ゆめわかば」の持つフラワリーな香りに惹かれたといいます。


今回お届けする「ゆめわかば」は、蘭のように爽やかな花香が勢いよく開き、仄かにスモーキーでウッディな香り、そして火入れによるロースト香などが絡み合い、複雑な雰囲気を醸成します。

2. 斉藤祐子さんの紅茶づくり

斉藤茶園の始まりなど、詳細についてはTEA FOLKS 7の記事をご参照ください。


園主・斉藤勝弥さんの娘の祐子さんは2022年の4月に就農し、勝弥さんのもとでお茶づくりを学んでいます。

祐子さんが就農してからは実質的に分業制を敷いており、主に父である勝弥さんが緑茶などの製造を行い、紅茶については祐子さんが殆ど仕事を任されています。



緑茶を製造する機械は規模が大きく技術も要するために祐子さんには難しく感じられていました。


一方で、小規模ロットで製茶できる紅茶専用の工場を建設したことをきっかけに祐子さんが紅茶づくりを担当することになりました。



主に緑茶を担当する勝弥さんも一緒になって、紅茶づくりの研究を重ねながら日々技術を研鑽しています。

祐子さんの紅茶づくりでは特に香りを大切にしており、他にはない、変わった香りを引き出すことを目標としています。

そのため萎凋の時間を変えるなど、様々な試みを行いつつ改良を加えています。


それでも、わからないことがある時は、勝弥さんと親交のある村松二六さんに電話で相談をするそうです。


また時には、心配した二六さん自らが斉藤茶園に赴き、実際に紅茶を作ってお手本を示してくれることもありました。


母親として子育てと紅茶づくりの両立には難しさを感じることがあるそうです。お茶づくりはタイミングが重要ですので、夜遅くまで萎凋の様子をみたり、シーズンによっては土日も作業に没頭しなければいけない時があるからです。


しかし、それでも祐子さんは難しいところを含めて紅茶づくりは楽しいと語っており、高品質な紅茶の仕上がる理由が垣間見えます。

3. 高まる次世代への期待

日本で栽培される茶品種の大部分は「やぶきた」ですが、これからは品種茶の時代という勝弥さんの考えもあり、斉藤茶園では3つのオリジナル品種を含めて、20以上の茶品種を保有しています。


長い時間をかけて選抜された斉藤茶園のオリジナル品種も、今回お届けする「ゆめわかば」に負けず劣らず、特徴的な風味を醸します。


特に育種に15年かかった「N15」は既に茶園全体の3割を占めており、毎年製茶される「ゆめわかば」同様に力の入った品種といえるでしょう。


祐子さんは就農からまだ1年も経過していませんが、村松二六さんの支援のもと、とても高品質な紅茶を作られています。


しかし、師匠が偉大過ぎるがゆえの苦悩もあります。


具体的には「火入れ」の難しさがあり、二六マジックをどのように再現するかなど、常に工夫をされながら製茶しています。


既に高い品質にある祐子さんの紅茶が、どのように変化していくのか、今後の過程をともに歩める生産者としても、ますます期待が高まります。


現状、斉藤茶園は自社サイトを保有していませんが、インスタグラムなどSNSでの発信は行っています。


祐子さんにとって紅茶の感想はとても励みになるので、是非、お伝えください。


bottom of page